「.......あ、そういえば七瀬、今年インターハイ目指してるんだよね。先生から聞いた」
「はい、今タイムがすごい伸びてるからいけるかもって言われて。」
「.......うん、七瀬なら絶対いけるよ。2年間、ずっと頑張ってたの私知ってるもん。」
「っ、.......」
なんでだろう。
先輩に言われたら、本当にいけるんじゃないかって思えてくる。
やっぱ先輩のこと好きだからなのかな、なんて。
「.......あ、の.......美桜先輩。」
「んー?」
「俺.......美桜先輩のこと、1年の時から好きなんです。ってか、ぶっちゃけめちゃくちゃ好きです。.......だから、俺も先輩の後追いかけようと思います。美桜先輩の隣に立てるくらいかっこいいやつになるんで、待っててください。」
自分でも何言ってんのか分からなくなるくらい、ぐちゃぐちゃで下手くそな言葉。
あからさまに震える声。
耳や顔が熱くて、真っ赤に染まっているのが分かる。
恥ずかしさで先輩の顔が見れなくて、返事が来るまでプールの水が揺れるのをじっと見つめていた。