しばらく先輩の方を見ていると、たまたま向こうもこちらの方を振り返って、目が合った。
「七瀬ーっ!七瀬もこっち来なよー!」
「なっ.......う、うるせぇばぁーか!」
満面の笑顔を浮かべて手を振るもんだから、思わずそう叫んでしまった。
「えっ、ひどーい!」とまたひまわりの笑顔で笑う美桜先輩。
.......あと1ヶ月もすれば、この笑顔は見れなくなる。
登下校の電車で隣に座ることもできない。
廊下ですれ違って話しかけることもできない。
部活で先輩の泳ぐ姿を見ることも、
悔しそうに涙を流す姿を見ることも、
嬉しそうに笑う顔を見ることも、
学校が変われば、離れれば、こうやって悩むことだってできなくなるかもしれない。
なら、ちゃんと伝えないと。
後悔だけは死んでもしたくない。