「あ、鈴。噂をすれば」





ほら、と指差されたほうを見ると教室の扉のあたりに手を招く小柄な先生、



そう、よっちゃん先生の姿が見える。






しょんと縮こまった姿に見覚えのある、あの困った顔。







ぴん、と嫌な直感が働く。






「絶対悪いことだ……」




「がんばれー、鈴ぅ」
「負けるなー鈴ぅ」






「……ちょっと、ふざけてるでしょ」





面白半分で応援する友達を軽く睨みつける。




そんなことないよぉ、と笑いを堪えているのを横目にしぶしぶ先生のほうへ向かった。














「……たぶん、"あの人"のことだよね」
「そうだね"あの人"だ」