ー大学附属病院

流生「愛楽先輩!」

209号室、先輩の病室を思いっ切り開けた

そこにはやせ細った体にたくさんのチューブに繋がれた先輩がいた

愛楽「なんで…流生君が…」

流生「紗桜さんから聞きました!教えてください!なにがあったか」

先輩は全部教えてくれた



流生「すみませんでした。気づけなくて…そばにいたのに」

愛楽「流生君は悪くない。私が話さなかったから…」

俺は思いっ切り泣いた

先輩といっぱい泣いた

流生「体調は大丈夫なんですよね、治るんですよね」

愛楽「体調は今のところ大丈夫。治るかは…」

悪性とわかってからの腫瘍の進み具合は速かった

10代にしては異例の速さらしい

手術は出来ないらしく、抗がん剤治療のみらしい

流生「コンクールは…あゆが出るんですか」

愛楽「…うん、諦めるしかないよね」

流生「先輩、俺絶対全国大会のきっぷを手に入れます!だから一緒に出ましょう!俺が全国に連れて行来ます」

愛楽「…うん!ありがとう」