ブランでの扱いは相変わらずだけれど、それでもフードさんとのこの時間があるから、学校も楽しいと思えた。

だから……フードさんは私にとって、救世主のような存在。



「そういえば、礼は決まったか?」

「えっ……」



いつもの質問が飛んできて、言葉を飲む。



「ごめんなさい、まだ……」



フードさんは毎日必ず、私にお礼のことを聞いてきた。

もちろん、私も考えると言った手前、悩んではいる。

だけど……ひとつだけ、恐れていた。

フードさんがここに来てくれる理由はきっと、お礼に対しての私の答えを聞く目的のため。だとしたら……私がそのお礼を告げたら、フードさんはここに来てくれなくなるかもしれない。

だから……いつまで経っても、返事をはぐらかしてしまっていた。

ダメ……だよね。