だから練習は厳しい。月曜日以外は基本的に練習、そして試合、更には当然だけど、チア活動がある。
この日、SHRが長引き、部活に急ごうと慌てて席を立った私は、偶然近くを歩いていた男子とぶつかってしまった。
「キャッ。」
「あ、ごめん。大丈夫?」
倒れそうになった私の手を思わず掴んでくれたのは、岡野哲哉くん。
「う、うん・・・大丈夫。私の方こそごめんね。ちょっと部活に遅れそうで慌ててたから・・・。」
手をつないだ格好になって、私はちょっとドキドキしてるけど
「そっか、大変だねぇ。野球部は雨になれば中止もあるけど、その点、室内の三浦さんたちには、それすらないんだからなぁ。」
岡野くんは何事もなかったかのように手を離す。岡野くんとは、彼が私のクラスに転校して来た小5から高1になった今まで、なんと6年間クラスが一緒の「腐れ縁」。そんな人は、他には当然いなくて、機会があれば、こうやって話もする。
「うん。確かに思ってた以上に大変だけど、でもずっと憧れてた部活だから、楽しいよ。」
私が笑顔で答えると
「そうか、三浦さんは頑張り屋だからなぁ。僕も見習わなきゃいけないんだけど、やっぱり無理だから・・・。」
そう言って、岡野くんは頭を掻くような仕種をする。
「でも岡野くんだって、中学の頃はテニス頑張ってたじゃない。」
「頑張ってないよ、みんなの足、引っ張ってただけ。僕は運動苦手だし、親に言われて、仕方なくやってただけだから。内申書対策でね。」
そんなことを言う岡野くんは
「三浦さんには及ばないけど、僕もようやくやりたい部活が見つかったから、まぁ自分のペースで頑張るよ。」
「そっか。パソコン部、だよね。」
「うん。チヤ部と違って、活動は週2だし、なんかのんびり屋揃いだから、居心地いいんだよ。じゃ、三浦さん、頑張ってね。」
そう言って、穏やかな笑顔を見せると岡野くんは鞄を肩に担ぐと、教室を出て行った。その後ろ姿を見送りながら、フッとため息をついた私は
(いけない、急がないと。)
我に返ったように思いついて、慌てて彼の後を追うように、教室を飛び出した。
この日、SHRが長引き、部活に急ごうと慌てて席を立った私は、偶然近くを歩いていた男子とぶつかってしまった。
「キャッ。」
「あ、ごめん。大丈夫?」
倒れそうになった私の手を思わず掴んでくれたのは、岡野哲哉くん。
「う、うん・・・大丈夫。私の方こそごめんね。ちょっと部活に遅れそうで慌ててたから・・・。」
手をつないだ格好になって、私はちょっとドキドキしてるけど
「そっか、大変だねぇ。野球部は雨になれば中止もあるけど、その点、室内の三浦さんたちには、それすらないんだからなぁ。」
岡野くんは何事もなかったかのように手を離す。岡野くんとは、彼が私のクラスに転校して来た小5から高1になった今まで、なんと6年間クラスが一緒の「腐れ縁」。そんな人は、他には当然いなくて、機会があれば、こうやって話もする。
「うん。確かに思ってた以上に大変だけど、でもずっと憧れてた部活だから、楽しいよ。」
私が笑顔で答えると
「そうか、三浦さんは頑張り屋だからなぁ。僕も見習わなきゃいけないんだけど、やっぱり無理だから・・・。」
そう言って、岡野くんは頭を掻くような仕種をする。
「でも岡野くんだって、中学の頃はテニス頑張ってたじゃない。」
「頑張ってないよ、みんなの足、引っ張ってただけ。僕は運動苦手だし、親に言われて、仕方なくやってただけだから。内申書対策でね。」
そんなことを言う岡野くんは
「三浦さんには及ばないけど、僕もようやくやりたい部活が見つかったから、まぁ自分のペースで頑張るよ。」
「そっか。パソコン部、だよね。」
「うん。チヤ部と違って、活動は週2だし、なんかのんびり屋揃いだから、居心地いいんだよ。じゃ、三浦さん、頑張ってね。」
そう言って、穏やかな笑顔を見せると岡野くんは鞄を肩に担ぐと、教室を出て行った。その後ろ姿を見送りながら、フッとため息をついた私は
(いけない、急がないと。)
我に返ったように思いついて、慌てて彼の後を追うように、教室を飛び出した。