…… そんなの分かってる。
とっくの昔に分かってんだよ。
俺は手の中に残る彼女に結って尚余ったリボンをジッと見つめ
「分かっててもやっぱり嫌、なんだろうな」
そのままリボンに軽く口付けする。
…… 願わくば許して欲しい。
彼女を俺の色に染めることを。
色だけでも彼女とともにあろうとすることを。
彼女が身に付けるもの全てに俺の独占的な願いが入ってることを。
「あなたを想うことをどうか、お許し下さい」
己の心と同じようにリボンが手から地面に滑り落ちた。
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