「ふふ、ありがとう。昔から私はあなたの色が好きみたいね」
笑うと彼女の周りに花が飛ぶ。
「光栄です」
私は彼女から離れて櫛を手に取り手元の布で軽く拭く。
「さて、そろそろ約束の時間では?」
「あっ、そうだったわね。じゃあそろそろ行くわ」
「はい、ごゆっくり」
「ふふ。彼はこの服、気に入ってくれるかしら」
彼女の言葉についピタリと体の動きが一瞬止まってしまう。
「…… はい、喜んで下さるかと」
不自然に返事が一拍遅れてしまうが、
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