彼女がリボンを軽く摘まむ。
「今日のドレスだってこのリボンと同じ色なのよ」
彼女のドレスがその言葉と同時に翻り、青一色に見えたドレスに光が注がれ少しだけ紫がかって見えた。
「はい、お嬢様は本当にその色がお好きですね」
「えぇ。綺麗だしそれに、あなたの瞳とお揃いなのも要因かも」
彼女は私の頬にゆっくり触れて目と目を合
わせる。
「うん、やっぱり綺麗だわ。あなたのその青に紫が少し入ったみたいな目」
「ありがとうございます。お嬢様の目も素敵ですよ」
曇りのない目で見つめられ思わず愛しい、という感情が言葉から溢れ出る。