「へー、そうなのか」 私の吃りは気にせず彼は楽しそうに話を聞いてくれる。 「そうそう」 私は彼からちょっとだけ距離を取る。 これ以上近付いたら私の心臓が大変なことになると予測してのことだ。 「鬼川君家はお香焚いてるの?」 「いんや、うちもばあちゃんがよく焚いてる、ってだけで ……」 「どしたの?鬼川君?」 言葉の途中で何故か彼が黙ってしまう。