「白檀の香りとか分かんのか。委員長!」



私の言動に彼は爽やかな笑顔で驚きを口にする。



「う、うーん、嗅ぎ覚えのある匂いだったからなんとなくそうかなって」



「へーってことは委員長の家も香焚いてんのか?」



彼はグイッと顔を少しだけ私に近付ける。



先程より彼の距離が近くなり甘い香りが強くなった。



それだけなのに少しばかり胸が高鳴る自分が恥ずかしい。




「うっ、うちは焚いてないよ。おばあちゃんの家でよく嗅いでたってだけ」



「だから本当にお香を焚いてたのか、お線香だったのかはよく分からないんだけど」