「…… むぅ、だってしょうがないじゃないか。途中でインスピレーションが降ってこなくなるんだから」
あっ、開き直った。
「でも、例えインスピレーションがなくなったとしても俺は部長に1つでも作品を書き上げて欲しいです」
「せっかく文章力あるのに」
俺は部室の棚にあった文芸集(仮)を捲りながら言葉を続けていく。
「それは褒めてるのかい?貶してるのかい?」
「部長のお好きなほうでご想像下さい」
「むー、本当に君は年上に敬意ってもんが足りないのではないかね」
彼女が口を尖らせ、むくれ面になる。
怒っているのを態度で表したいんだろうが、些か迫力には欠ける。