内気な私に素敵な彼氏が居るなんて既に奇跡に等しいのです。




そしてその奇跡だけでは飽き足らずこんなことまで望むなんて私はなんと欲深い女なのでしょうか。



私はうーん、と体を斜めにしてその場で唸る。



えぇ、彼氏さんに不満があるわけではないのです。逆にこんな私でいいのかと思うぐらいには素敵な彼氏さんなのです。



別に私からキスするのも全然ありあり、むしろ嬉しいのですが。




それでも人生で一回ぐらいはパートナーからキスをされてみたいと思うのが乙女なのではないでしょうか?



「…… むーん、」



いろんな思いをまぜこぜにしつつ私はその場でもう一度唸った。