「どうぞ、どうぞ。昼にでも夜にでもお食べ下さい。では、私はこの辺で」
そのまま帰ろうとする彼女のもとへツカツカ歩み寄り腕を掴む。
「今はこちらの甘い物が食べたい気分なのですが?」
「―― えっ、」
彼女の目が丸くなる。
その後少しバツの悪そうな顔になると
「…… えーと。バレちゃいました?」
これまたバツの悪そうな声でそう呟く。
彼女の手には可愛くラッピングされた物が1つあった。
「バレてました」
「…… いや、だって、だって綺麗に出来ないし、頑張ったけど歪になるし」
「どう足掻いても私のはぐちゃぐちゃのお弁当ですし」
「だから、これは私が責任持って食べようと思って」