私はその後ろ姿を呆然と見送る。
「ふっ、はは、」
後ろでは友人が吹き出していた。
「ひー、無理。もう無理だわ。これでも笑い堪えてたんだわ」
友人はひとしきり笑い目尻を拭う。
「笑いごとじゃない!―― もうなんなんわけあれ!?練習するってなんなの!そういう流れだった?今!?」
「違うじゃん。ちゃんと告白する流れだったじゃん。ふざけんなよー」
私はまた机になだれ込むように突っ伏した。
「ふーん。じゃあお怒りのあんたは次告白されたら振っちゃうんだ」
友人は机に浅く腰掛ける。
「…… そうとは、言ってないでしょ」