こんなに広い家なんて初めて。ん? 本当に初めてなのかしら。もっと広い家を見たような……。そんなわけないか。でも、私に中学以前の記憶がないわけですし。
「ハニー、まだあのことを考えているのかい?」
「えっ、ううん、違う、わよ。凄く広い家かなって、思ってただけよ」
きっと気にしすぎね。深く考えても仕方がないもの。それより今は……。私ったら、なんて大胆なことを言っちゃったんだろ。
お姫様抱っこはまだいいわよ。千歩ぐらい譲ってね。でも、龍二の家に泊めてだなんて……。
素直になりすぎた自分が急に恥ずかしくなる。龍二の前では平静を装うも、心音がきこえていないか、ずっと心配していた。
「ハニーの部屋はここだよ。必要なことは執事がやってくれるし、あっ、メイドの方がいいかな。何かあれば、そこの呼び鈴を押せば誰かくるからね」
龍二に案内された部屋は、ひと言で表すなら小さな家。大きなベッドが窓際にあり、化粧台まで備え付けられている。
私のアパートより広いわね。って、当たり前ですけど。それにしてもこの部屋、掃除が大変そうですわ。執事とかメイドって言ってましたけど、何人くらいいるのかしら。
「あ、ありがとう。その……今日は本当に助かったわ。か、感謝してるんだからねっ」
「ツンデレが言えるなら安心だねっ。着替えとかはメイドに持ってこさせるから、自分の部屋みたいにくつろいでよ」
龍二は必要なことを私に伝えると、部屋から颯爽と出ていった。私はその後ろ姿に、自然と笑みをこぼしてしまう。
この広い部屋にひとり残された私は、巨大なベッドへダイブする。
ふかふかで柔らかいベッド。
心が癒されるような甘い香り。
それらが私の心に染み渡り、幸福の世界へと誘う。気がつけば、私の中にあった不安はかき消されていた。
「ハニー、まだあのことを考えているのかい?」
「えっ、ううん、違う、わよ。凄く広い家かなって、思ってただけよ」
きっと気にしすぎね。深く考えても仕方がないもの。それより今は……。私ったら、なんて大胆なことを言っちゃったんだろ。
お姫様抱っこはまだいいわよ。千歩ぐらい譲ってね。でも、龍二の家に泊めてだなんて……。
素直になりすぎた自分が急に恥ずかしくなる。龍二の前では平静を装うも、心音がきこえていないか、ずっと心配していた。
「ハニーの部屋はここだよ。必要なことは執事がやってくれるし、あっ、メイドの方がいいかな。何かあれば、そこの呼び鈴を押せば誰かくるからね」
龍二に案内された部屋は、ひと言で表すなら小さな家。大きなベッドが窓際にあり、化粧台まで備え付けられている。
私のアパートより広いわね。って、当たり前ですけど。それにしてもこの部屋、掃除が大変そうですわ。執事とかメイドって言ってましたけど、何人くらいいるのかしら。
「あ、ありがとう。その……今日は本当に助かったわ。か、感謝してるんだからねっ」
「ツンデレが言えるなら安心だねっ。着替えとかはメイドに持ってこさせるから、自分の部屋みたいにくつろいでよ」
龍二は必要なことを私に伝えると、部屋から颯爽と出ていった。私はその後ろ姿に、自然と笑みをこぼしてしまう。
この広い部屋にひとり残された私は、巨大なベッドへダイブする。
ふかふかで柔らかいベッド。
心が癒されるような甘い香り。
それらが私の心に染み渡り、幸福の世界へと誘う。気がつけば、私の中にあった不安はかき消されていた。