「あれ、須藤じゃん」





「げっ!!!」







須藤の手からバササッ…と持っていた資料が落ちた。







「ちょっと、何やってんの?てか、げって何、失礼すぎるでしょ!」







そう文句を言いつつも、一応落ちた資料を拾ってあげる。







どうやら機能解剖学のレポートか何からしい。







今は、1限と2限の間の休み時間。





2限の講義を受けるため廊下を歩いていたら、偶然真横の教室から出てきた須藤と遭遇した。






「はい」






拾ったレポートを差し出してあげると、須藤は「お、おおう…」と挙動不審気味にそれを受け取った。





なぜか顔もちょっと赤い。






「ちょっと須藤、熱でもあるんじゃない?昨日も様子変だった…し…って、そんな距離取らなくてよくない!?」






熱を測ろうとおでこに手を伸ばしたら、なぜか物凄い勢いで遠ざかられた。