「…優しかったら、ね」







須藤が独り言のように、呟いた。







「そっか、そーだよなあ。お前優しい男好きだもんな。

周平にちょーっと優しくされたくらいでコロッといったし」





「ちょっと人をゴキブリみたいに言わないでよ!」






「ツッコミが意味わかんねーよ」








はあ、とマグカップ片手に須藤が深いため息をつく。







「ま、いいけど。人のタイプは人それぞれだし」





「そーゆう須藤はどんな女子が好きなわけ?」






「…は?」






「だって須藤のそーゆう恋バナ、一回も聞いたことないんだもん。ねえねえ、どんな子が好きなの!?芸能人で言うと誰!?」






「おま…急に勢いがこえーよ」







だって人の恋バナほど盛り上がることはないじゃん!?