自分の名前がこんなに特別に感じたのは初めてだった。 「おい周平、こっちで写真撮ろうぜ~」 「おー、今行く~」 じゃな、と軽く手をあげ去っていく橘くんの後ろ姿から、私はなぜかずっと、目が逸らせなくて。 恋に落ちた、と思った。 私の人生で最初で最後の、恋に。 なのに……