「なにからなにまで、すまないねぇ〜」
「どこの婆ちゃんだよ」
チャーハンを食べ終わると、なぜか須藤は食後のコーヒーまで淹れてくれた。
いつの間にか私よりうちのキッチンを使いこなしているのは解せない。解せないが、
「う〜ん、おいしー!」
なぜか自分で淹れたコーヒーよりも数倍おいしく感じる。
「知らなかったよ。須藤ってすごい奴だったんだねー」
「は?」
「だって絵うまいし料理できるし、気もきくし。コーヒー淹れるのもうまいし!」
「ふ、ようやく俺の凄さに気づいたか」
「もっと優しかったら完璧なんだけどねー」
これで優しかったらきっと、今よりさらにモテモテなんだろうなぁ。悔しいけど顔もいいしね。