須藤がこんなこと言うなんて今から台風でもくるんじゃない!?と思ったけど、すぐにピンときた。
そっか!これもきっと講義の一環。
デートっていう設定だもんね、須藤ってば凝ってる!
「そ?ありがと。須藤が選んでくれたからだよー」
だから私も笑顔でそう言うと、須藤は一瞬私を見て
すぐに視線を逸らした。
「お、おおおう。まーな!俺の抜群のファッションセンスのおかげだな!」
あ、いつもの須藤に戻った。
「でも知らなかった。須藤ってこーゆう女の子っぽいカッコが好きなんだねぇ~」
「あ?別にそんなんじゃねーし、ただお前に…」
「お前に?」
「…なんでもね」
急に須藤が黙ってしまうから
「ちょっとぉ、こんなところでぇ~」
「いいじゃん、させろよキスぅ~」
数メートル隣にいるカップルの会話が鮮明に聞こえてしまう…!!