「で、次どこ行く?」
カフェを出て少し歩いたところで、須藤が聞いてきた。
「ん?まだどっか行くの?」
「…まだって茶飲んだだけなんだけど。全然デートしてねーじゃん」
「あ、そっか。そういうもんか~」
私ってばあんなオシャレデートスポットでティータイムなんて人生はじめてだったから、なんかもう十分満足してしまっていた。
「うーんそうだなー。あ、じゃあゲーセンで太鼓の達人対決「却下」
「なんで!!楽しいじゃん太鼓の達人!」
「色気がねえ!!!今日はデートだっつってんだろ、マジメにやる気あんのか?」
「やる気はあるよ~。でも色気があるとこって言われても…あ、フーゾク?」
「お前はもう一生喋んな」
須藤がゲンナリした顔で私を見た。
「特に行きたい所ないんなら俺が行きたいとこ行くけど。いい?」
「あーうん、もちろん。どこでも行くドン!!」
「お前根に持ってんな…」
とりあえず、デートで対抗の達人はダメらしい。
私は今日ひとつ、賢くなった。