「義理を義理で返すくらいには義理堅い女なんでね」
「…処女に協力できることなんてあんのかよ」
紅茶を机に置いた須藤が、俯いたまま言った。
「ちょっと、そういうこと言うのどうかと思いますよ。
処女だって一応女子だし、女心とかそーゆうの教えてやってもいいよ」
須藤って顔はいいけど女心とか絶対わかってないし。
「…へえ、女心、ねえ」
須藤の表情は俯いていてよく見えない。
「そ、須藤ってデリカシーとか全然ないしそーゆうのに私が華麗なアドバイスを…」
「女心とかクソどーでもいいわ」
須藤が顔をあげる。
サラ、とストレートの前髪の隙間から、私をまっすぐに射抜く瞳。
「お前の心しか興味ないね、俺は」