「ふーん、そっか。須藤はこういうお店で普段デートしてんだね~」
「…は?」
「だって、ほら。このお店カップルばっか」
何組か女子だけのグループもあるけど、
大半はオシャレでいかにもイケてるカップルばかりである。
こ~んなオシャレ空間でリア充たちはデートしてるのか~、なんて思いながら周囲を眺めてると
「…来たことないから、俺も」
須藤が小さい声でなんか言った。
「ん?なんて?」
「っなんでもねーよ。そりゃ、デートなんだからデートっぽい店来ないと意味ねーだろーが」
「そっか、須藤なりに色々考えてくれてんだね、ありがと~」
「…なんかムカつくわ」
なぜか不機嫌になった須藤が紅茶をガッとあおった。そして次の瞬間「あっちい!」と悶えている。
オシャレな服着てオシャレ空間にいる須藤は心なしかイケメンに見えてしまうが、
こういう“須藤”なところが見えると、少し安心してしまう。