「そのセリフそっくりそのまま返す」
そんなオシャレなカッコしているのに、なぜか須藤は機嫌悪そうだ。
「今日デートだって言ったよな?」
「あーうん、そのような講義内容と把握しております」
「じゃあ何でジャージなんだよ!!」
「何でって…」
だって今日も部活だったし、部活終わって大学でシャワー浴びて、そのままここ来たし。
大学からうちに行く電車と渋谷は逆方向だし。
「なんか問題でも?」
キョトン、とする私に、須藤は深いため息をついた。
「ほんとーにこの、恋愛偏差値壊滅女…」
「は?」
「お前はまだ講義以前の問題みたいだな」
須藤がパシッと私の手首をつかむ。
「来い。俺がみっちり指南してやる」