その夜は一睡もできなかった。 目を閉じると、 あいつの想像以上に柔らかかった唇の感触とか その奥の、熱い舌を絡ませた感覚とか あいつの、声とか…目とか。 それがリアルに蘇ってきて―― …次、どうしよう。 とりあえず急いだ方がいいんじゃないか。 じゃないと、焦ったアイツが道行く男に「ヘイ私の処女いらない?」と前代未聞の処女勧誘をしかねない。 ダメだ、絶対にそれだけは 俺が許さない。