「げ、玄関掃除だよ、見ればわかんだろ?」 「こんな夜に?」 「言ったろ?綺麗好きだって」 「あっそ…」 …嫌だ。 どうしても、思い出してしまう。昨日のこと。 須藤の声とか、表情とか、体温とか あの時の須藤は、須藤のはずなのに、なんか… 少しだけ怖かった。 「っ、じゃあオヤスミ」 だから会話もそこそこに、さっさと引き上げようとしたのに 「あっ、おい」 須藤に呼び止められた。