「で?何から教えてやろっか?」
私の部屋のベッドの倍、いや3倍は大きいソレに腰かけた須藤が
無駄に長い脚を組んで偉そうに言う。
「て、ていうかさー、い、いいい意外と色々あるんだね~アレッ電子レンジもあるじゃん!
お、パチンコ台もあるし、マイクもあるし、カラオケもできるんだぁ♪」
「現実逃避は見苦しいぞ」
「現実逃避じゃないよ、内見的な!?」
「お前ここに住む気か?」
……やばい、なんか、足震えてきた。
心臓が信じられないくらいドキドキいっている…
試合でもこんな緊張したことないんですけど!!!
「花岡」
低い声に、ビク、と肩が跳ねた。
「…覚悟決めろよ」
「…っ」
覚悟って
覚悟って
「うるせーっばかー!!!」
「あ、おいっ!」
逃げ出そうとした。
だけどドアが開かないし!!!
「言っとくけど金いれねーと開かねぇから」
なにその罠!?
閉じ込められた私はやむを得ずトイレに立てこもった。が…
「なっ何で鍵ないの!?」