バチッと目があって、

なぜか「しまった」とでもいうように目を逸らす須藤。






「同情じゃないなら何なの?」





「そ、それはー…」








目をオロオロ泳がせて







「……つか気づけよまじむかつく」







小声でなんか言っていた。







「はぁ?なんて?」







運動部のくせに声が小さい奴だ。








「っなんでもねえよ!とにかく!!



寛大すぎる俺がお前のその…処女(超小声)を引き受けてやっから!



だから道行く男突然襲ったりすんなよ!?うちの大学の恥だ!!」






「はいはいー」








知らなかった。





まさか須藤がこんなにうちの大学のこと愛してたなんて。








「あと!!!」







ズイッと須藤が突然顔を近づけてきた。







「な、なに」







なんか知らんが迫力がスゴい。








「周平のことも襲ったりすんなよ」





「わ、わかってるって。今の私じゃ相手にされないことは」






「おーそうだ。

周平の周りなんてモデル級にカワイイ女ばっかなんだから近づいたって



花岡なんて1ミリも1ミクロンも1ナノも相手にされないんだからな!!」






「うっさいな。

てか今知ってる単位全部並べただけでしょ」







「帰る!!!」








須藤はなぜか怒っていた。






部屋から自分の上着を引っ掴むように取ると



乱暴な足取りで私の部屋を出ていった。








「…あんなに怒るなら引き受けなきゃいいのに」