昔から思い立ったが即行動派だ。






スクッと立ち上がり玄関に向かって歩く私を






「だからやめとけって!!!」






なぜか一緒に立ち上がった須藤が焦ったように引き止めた。







「うっさいなぁ、須藤に命令される筋合いないんですけど!」






「大体おま、処女捨てるってどうやるつもりだよ。風俗でも行く気かよ!?」





「そ、それは…」








考えてなかった!!








「それは、そのー…あ、そうだ駅前でナンパ的な?

私の処女いらない?って」





「やめとけ。

その辺の壺販売より悪質だし気味が悪い」






「気味が悪い!?

言っとくけど、私これでも一応花の女子大生なんですけど!



私の処女もらってくれる奇特な人も一人くらいいるかもしれないでしょ!?」








私の言葉にぐ、と須藤が黙った。




だけどすぐにまた何か言いたげに口を開いたのを、「とにかく!」と遮る。








「もう決めたから。次会う時の私はもう非処女なので!あでぃおす!」








別に今まで、好き好んで処女をとっておいたわけじゃない。






ただ捨てる機会がなかっただけだ。そして、捨てれば憧れのあの人に少しでも近づけるなら






全然惜しくなんてない。









さらば、今日までの純情な私―――









「っ待てって!!!」








ドアノブにかけた私の右手を須藤がつかんだ。