「ジ・エンド……」



「つかそもそも始まってすらなかったろ」



「うるさい!始まってたの私の中では!走り出してたの!ポッポー!!!」



「うわ情緒不安定の女コワ」





大袈裟に身震いした須藤の顔面狙ってクッションを投げつけてやる。





「あぶっ、あぶね!ビールこぼれんだろ!!」



「うるさい!帰宅早々缶ビールってお前はオッサンか!?
てかそもそも人ンチでビール飲むな!!」







そう、ここは何を隠そう私の家だ。



そしてなぜ、須藤がここにいるかというと。





「いいだろ別に、どーせ隣だし間取り同じだし」



「いや理由になってないけど。
あ、もしかして一人の家に帰るのが寂しいとか?私と一緒にいたいとかぁ~?」



「は、はぁ!?バカじゃねーのふざけんなこの干物女子力皆無処女が!!」



「うわうざっ!悪口並び立てんなこの顔だけヤリチン中身最低男!!!」



「処女よりマシだバーーーーーカ」



「バカっていう方がバカなんですカーーーーーバ」



「小学生かよ」





ケッと顔をそむけた須藤に対抗するように私も顔を背けてやる。






ああうざい、むかつく、むかつくむかつくむかつくー!!!






「…んだよ、いつもより更に荒れてんじゃん」






缶ビール片手に須藤が横目で私の様子を伺っているのが分かった。





「そんなにこたえたか?周平に処女は嫌だって言われたのが」




「…っ、うるさい」






ばか、こたえてる、に決まってんでしょ!



人生はじめての恋のお相手に実質フラれたんだぞバカー!