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「なぁ、なんでだよ!みつる、お前、いつも紳のこと崇拝してたんじゃんかよ」

「は?俺が紳のこと崇拝…。てか、俺は紳のこと崇拝てか、別に紳の本当の気持ちを知りたいだけだっつーの」

と奈義くんは紳の取り巻きの一人の男子と会話をした。そして、奈義くんは言った。


「だってさ、あいつ。何か隠してるって思わねーか?」

「隠してる………。例えば?」

「あいつあんま女子に興味ないんじゃないかって思うんだ」

「いやいやいや、紳は女子に興味ありありだろ!」

「お前分かってねーな。須山…」

奈義くんは真剣な顔して須山くんに考えを話し込む。須山くんは納得いかなそうな顔をしながらも、聞き入っていた。


「あいつ、どの女子ともあいつが命令に従ってるだけなんだよ。なのに、あいつ日和とは違うんだ。大人しい日和が紳に命令出しているようには見えない…」

「え!?あいつ女子の命令に従ってるだけだったのかよ!」

「そこ見抜けてなかったのかよ!須山…。そこからかよ。言うの……。お前分かってると思ってたのに…。……はぁ」

奈義くんはため息をつく。須山くんは苦笑いを浮かべ、頭をかいた。


「とにかく、紳と日和は何かあるぞ!!!須山!」

「お、おおっ!日和さんを助けるぞ!」

「おま、お前ちげーーーよっ!」

奈義くんは伝えたことを理解していない須山くんに苛立(いらだ)ちしながら、須山の頭を机に置いてあった誰かのノートでべシッと叩いた。


「俺らがやるのは2人を助けることだ!」

須山くんはふむふむとやっと納得したかのようにコクコクと頷き、奈義くんと須山くんは拳を上に上げ、言った。


「「おおっ!」」


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「うっせーよ!何、みつると秦汰(かなた)は誓ってんだよ!」


「かははははっ」


「あははははっ」

と入ってきた保険担当の男の先生に注意された奈義 みつると須山 秦汰は笑って、授業の始まる鐘の音を聞き入って、もうみんな席についていることに焦って座った。