『マドレーヌは、もっと仲良くなりたい』
優絵がページを開くごとに、俺の余罪が暴かれる。

「金平糖、もらった時はなんで?ってちょっと思った」

「子供の頃から飴とか好きだっただろ」

「金平糖、飴じゃないけどね」

せめてもの反撃なのか、優絵は拗ねたような声で言うがこちらを見ない。まだ、耳も赤い。
洒落た瓶に入ってキラキラと輝いていた金平糖を思い出す。
優絵みたいだと思った。好きな飴なら喜ぶだろうから贈ろうと思った。
それを買っときだ。妹が「それ、告白みたいになるよ」と教えてくれたのは。
『金平糖は、あなたが好きです、という意味です』
そんな文字を追いながら、笑いが込み上げる。