なんとか絞り出すと、ブワッと音がするほどの勢いで、優絵は首まで真っ赤になる。
あわあわと汗をかく姿すらかわいいなぁ、と混乱した頭でしみじみ思う。

「じゃ、じゃあ、もしかして去年のキャンディーも、一昨年のマドレーヌも全部?!」

妹に「狼煙」扱いされた告白を本人に突きつけられるってどんな罰ゲームだよ。
そんなことを思いつつ、「そうだ」と頷いた。

「いっつも、有名なお店のだなって思ってたけど!弘毅は優しいから、お返しもちゃんとしてくれてるだけだと思って期待しないようにしてたのに!」

そう言って、俺の制服の袖を掴む力が少し強くなる。

「…こんなの、期待するじゃん。」

小さな呟きは、俺の脳天を撃ち抜く威力を持っていた。

「優絵?」