『ハァ……、アンタ、明日仕事は?』
「土曜だから休み。部活もない。」
『ヨシ。一時間後、S駅前のアソコの居酒屋に集合!もちろんアンタの奢りね。』
「…!!ありがとう。すぐいく!」
そう言って西園寺は光の速さで電話を切ると、いそいそと帰る準備を済ませて颯爽と化学準備室を後にした。
「ごめん、道混んでて遅くなった…─って、何で樹までいんの。」
居酒屋について個室のドアを開けるとそこには既にほろ酔いの千秋と、真っ赤な顔した樹が並んで座っていた。
「この近くで飲んでたら丁度千秋に誘われてさ、けーちゃんの奢りっていうから来ちゃった♡」
なるほど、それでこの出来上がり具合か、と西園寺は心の中で納得しつつも「語尾に♡つけるのやめろ!」と突っ込んだ。
「まあまあ、こういうのは女の意見と男の意見どっちもあった方がいいんじゃない?」
そう言いながらグイッと生ビールを飲み干した千秋に「まあ…そっか…。あ、僕も生で。」とタイミングよくきた店員にそう注文しながら西園寺は腰掛けた。