「え!?!?紡木さん!?」


スピーカーから西園寺の叫び声とも取れる声が聞こえたかと思えば、ガタン!と激しい物音がして、それからすぐに部屋のドアが開く音が聞こえた。


エントランスでもインターホンを押したのに、何を今更そんなに驚いているんだろう…と、考えていると、内側から自動ドアが開いた。


「せんせ…。」

「紡木さん、なんで…?」


そこにはパジャマにマスク姿で急いで来たのかスリッパを履いたままの西園寺が、目をまんまるくさせて紡木を見つめていた。


「な、なんでって…先生が風邪を引いたって聞いたから、お見舞いに…。」


紡木はきょとんとした顔でそう言うと、コンビニで買ったものを思い出して西園寺にビニール袋を手渡した。


「えっ、あ、ありがとう。…じゃなくて、エントランス、どうやって入ってきたの!?」

「え?インターホン押したら先生が開けてくれたじゃないですか…。」


お互いに頭上に?を浮かべたまま会話をするさなか、西園寺は何かに気がついたの「あ…。」と呟いた。