「先生のお見舞い、行ってもいいと思う?」

「え?…行っちゃダメな理由なんてあるの?」

「え…?」


葵の意外な返答に、紡木は思わず言葉に詰まった。


「行ったらいいじゃん、てか、行きなよ!」

「え?いいのかな?だって風邪でしんどいんだよ?私が行ったら迷惑じゃない!?」

「迷惑なわけないじゃん!風邪で弱ってる時こそ好きな女の子の顔見たいもんでしょ!」

「そうかな…え、てか、なんで先生が私のこと…」


好きって知ってるの?と問い詰めようとしたところで頼んだ料理がテーブルに運ばれてきた。


「これ食べたらさっさと行こ!」

「え、う、うん。」

葵の勢いに気圧されて結局紡木は黙々と料理に手をつけ始めた。