「…あのね、実は今日その人が風邪ひいちゃってて…。」

「ああー!ケイト先生?」


平然とそう返す葵に、紡木は「えっ、ちょ、なんで!?」と、顔を真っ赤に染めながら葵に迫った。


「誰かが今日ケイト先生風邪ひいた〜って騒いでたから言ってみただけなんだけど…本当に、ケイト先生なんだ〜…。」


そう言って頬杖をつきながらにやけ顔で紡木を見る葵に、紡木は「なに!」と真っ赤になりながら睨みつけた。


そんな紡木に葵はケラケラと笑って「可愛い〜!」と囃し立てると紡木は更に顔を赤く染めてもうやだ!」とテーブルに突っ伏した。


流石にいじりすぎたかな、と反省しつつ、葵は紡木の頭をツンツンと突いて「で、西園寺先生と何かあったの?」と、聞いた。


紡木は「うう…。」と呻き声を上げながらゆっくり顔を上げると、「あのね。」と話し出した。