「…それで、何があったの?そんな顔して。」


席についてひとしきり頼んだ後、葵は向かいに座る紡木に改めてそう聞いた。


紡木は視線を逸らして「なんていうか…えっと…。」ともぞもぞと口籠った。

そんな彼女を見かねて、葵は「あのね。」と話し出した。


「ウチはつむちゃんの力になりたい。ウチがつむちゃんのことを信頼しているように、ツムちゃんもウチのことを信頼してほしい。

…話すのが難しいっていうなら、無理に話してとは言わないけどさ…。」


そう紡木を真っ直ぐ見つめて言う葵に、紡木は少し間が開いた後に観念したかのように口を開いた。


「…今から言うこと驚かないで聞いてくれる?」

「う、うん、もちろん。」

「先に言っとくね。騙してて、ごめん。」

「な、何!?そんなヤバいことなの!?」


紡木の突然の謝罪に葵は動揺しながらも「大丈夫だから、言って。」と頷いた。


紡木は一度深く深呼吸をすると再び口を開いた。