そんなことも知らなそうに、瑞花はいまでも顔を青くさせている。
目覚めのいい朝なんてないけど、これはこれでいいなあ。
「よーし、行くよ?」
「えっ、静生! 待って!」
僕は駆け出して、瑞花は後からついてくる。
照りつく太陽のした、僕たちは全力疾走で学校まで向かった。
「あらら、じゃあそれで遅れたってこと?」
「うん。ごめんね、ビックリしたよね」
「まあ少しは思ったけど、どうせ静生といちゃこらしてんのかなとも思ってたし別にいいよ」
「い、いちゃこらはしてないよ!」
「確かに、キス一回だけだもんね?」
「あ、ちょっと静生!」
「ふは、ほどほどにしてやんなよ静生?」
瑞花と瑞花の友達のゆーちゃんが話していたから、しれっとそういったたけだ。
結局僕と瑞花は一限に間に合わなくて、一限の途中から教室に入ったのだ。
今やっと一限が終わって、瑞花はゆーちゃんに質問攻めされていた。
と思ったら、またもや乱入者だ。
「あら、それもそうよね。静生はもうちょっと彼女に優しくしたらどうなの?」
「してますけど?」
「ホントに?俺の方が、侑菜を優しくてる自信あるよ?」