彼女が早くと言っていたので、僕はいつもよりちょっと早くごはんを食べて、歯磨きをして、行く準備をした。
最後に仏壇の母と父に行ってきますとだけ言って、僕は家を出た。
今、この家は彼女との生活に欠かせないものとなっているなんて、僕の部屋ではいつだってあんなことばかりしているなんて、二人は知らないはずだけど。
「ほら、時間ですよー、瑞花ちゃん?」
「えっ、静生?!もう来たの?!」
「うん。早くしてって言ってたからさ」
「それでもだよ!まだ終わってないの!」
「学校行くだけなのにそんなに準備することある?」
「可愛いって好きな人に見られたくて、ちょっと気合いいれたりするじゃん!」
「好きな人目の前にいるのに、おしゃれなんてしなくていいよ」
「そうだけど!女の子の中でも可愛くいたいとかいろいろあるの!」
「へえ?」
「だいたい静生はかっこいいからいいじゃん今日もかっこいいとにかく後5分待ってて!」
「うん、分かった」
さっきの瑞花、顔真っ赤にしてかわいかったなあ。なんて。
いつもいつも、彼女は可愛い女の子に変わりないのになあ。