「よかった。じゃあね。」

「は、はい…!」



顔が熱かった。

頭の中で、音楽のように歴の言葉が巡っている。



「おはよー…て顔赤いよ?」



気が付くと、レナが私の顔を覗き込んでいた。



「あ、レナあのね…」



レナに先程の出来事を話そうとして気が付いた。

歴にお礼を言っていなかった。

慌てて立ち上がると、椅子が倒れた。

構わず歴の方へ行こうとしたその時、チャイムが鳴った。

そして同時に、担任が入って来た。