俺の中心には兄ちゃんがいて、兄ちゃんのまわりを俺はずっとまわっている。

兄ちゃんを好きになればなるほど俺は自分が怖くなって。理性と欲望がずっと渦巻いている。

そのうち、兄ちゃんを殺してしまうのではないかと思い始めた。

「俺、兄ちゃんのこと、殺すかもしれない。」

そう言ったら、

「るいが、俺のいない世界でも生きていけるなら、殺していいよ。」

そう言われたら、殺せなくなって。
ただただ涙が止まらなくなった。


俺はもう一生、兄ちゃんからは逃げられないんだと、悟った。