瞬間、
「イイヨちゃーん!あら、まだ起きてたのね!嬉しいわー!」
ガチャリと鍵が開き、不自然なまでに満面の笑みを浮かべた大叔母さんと、下を向いたままの0823番が入ってきた。
「…こんばんは」
至って普通に挨拶をしながら、私は心の中で、
(今の電話の事は、何があっても大叔母さんに言っちゃいけない)
と、固く固く誓った。
━━━━━━━━━━━━━━━…………………
ガチャリ、と受話器を置いた俺ー伊藤 大也ーは、受話器に乗せられた自分の右手が小刻みに震えているのに気付いた。
(今の、今のって…!)
あの声は、明らかに紫苑ちゃんのものだった。
今まで3ヶ月間行方不明だった彼女が、どうしてホストクラブに電話してきたのか全く理解が出来ないけれど。
「紫苑ちゃん、生きてた…!」
視界が歪み、俺はずるずるとその場にしゃがみ込んだ。
(良かったっ、紫苑ちゃん死んでなかった…生きてる生きてる生きてる!)
彼女の話している内容はよく分からなかったけれど、念の為メモも取ったし久しぶりに聞いた彼女の声はまだ覚えている。
「帰って、この事を皆に伝えないと…!」
鼻水をすすって嬉し涙を拭いた俺は立ち上がり、真っ直ぐにロッカーに向かった。
「イイヨちゃーん!あら、まだ起きてたのね!嬉しいわー!」
ガチャリと鍵が開き、不自然なまでに満面の笑みを浮かべた大叔母さんと、下を向いたままの0823番が入ってきた。
「…こんばんは」
至って普通に挨拶をしながら、私は心の中で、
(今の電話の事は、何があっても大叔母さんに言っちゃいけない)
と、固く固く誓った。
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ガチャリ、と受話器を置いた俺ー伊藤 大也ーは、受話器に乗せられた自分の右手が小刻みに震えているのに気付いた。
(今の、今のって…!)
あの声は、明らかに紫苑ちゃんのものだった。
今まで3ヶ月間行方不明だった彼女が、どうしてホストクラブに電話してきたのか全く理解が出来ないけれど。
「紫苑ちゃん、生きてた…!」
視界が歪み、俺はずるずるとその場にしゃがみ込んだ。
(良かったっ、紫苑ちゃん死んでなかった…生きてる生きてる生きてる!)
彼女の話している内容はよく分からなかったけれど、念の為メモも取ったし久しぶりに聞いた彼女の声はまだ覚えている。
「帰って、この事を皆に伝えないと…!」
鼻水をすすって嬉し涙を拭いた俺は立ち上がり、真っ直ぐにロッカーに向かった。