マヨ、こころなしか疲れてる表情。

瞼も少し腫れてる?

泣いてたの?

「あ。」

ワカナが教室の前の方を見た。

「ボンボンも今頃来てるよー。」

松川くんがゆっくりと席に座るのが見えた。

ほんとだ。

もうすぐチャイムが鳴るって時間。

朝練も休んで、遅刻寸前だなんて。

結局、朝一番でタイスケとの誤解を解こうと意気込んで来たけど、出だしからつまづいちゃった。

ふ~。

誤解を解くのも、わざわざ・・・って気もしてきたなぁ。

松川くんの後ろ姿を眺めながら、どっと疲れが押し寄せてきた。

それよりも。

今はやっぱりマヨのことが気になるんだ。

「ナツミ。」

ふいに、マヨが言った。

「うん?」

「今日の放課後、剣道場に向う前にちょっと話があるんだけど。」

きた~・・・。

「いいよ。」

笑って返したけど、心臓がバクバクと不安な音をたてていた。