あ、本当に聞いちゃった。

いつものマヨに思わず安心したせいか気持ちが大きくなってしまった。

しばらくの沈黙の後、マヨは小さな声で言った。

「うん。」

それだけ?

そんな重要な事実、どうしてだまってたの?

また不安な気持ちに逆戻り。

なのに、私ってばへらへら笑いながら、

「そうなんだー。それならそうと言ってくれればよかったのにぃ。」

なんて、わざとらしいくらいに明るい声でマヨに返した。

「そうだよね。ごめん、ナツミ。」

そんな風にしおらしく謝られたら、余計に苦しくなるじゃない。

『ごめん』だなんて、どうして謝るのよ。

もうこれ以上、マヨと話をする気力はなくなっていた。

「じゃ、またね。」

こんな状況で携帯を切るのはおかしいって頭ではわかっていたけど、思わず切ってしまった。