「でさ、松川くんこれからどこか行くわけ?」

タイスケは唐突に聞いた。

「え?いや、うんまぁ。」

「どこどこ?」

「この先の英会話学校にこれから行くんだ。」

「へー。やっぱり。」

「やっぱりって?」

タイスケと付き合ってることを否定する間もなく、話は進んでいく。

「こないだ、俺、松川くんあそこの英会話学校から出てくるとこ見かけたんだ。」

「え?そうなの?」

松川くんは次第に居心地が悪そうな表情に変っていった。

「先週の土曜だったかな?」

松川くんは、マクドの中の時計をチラッと見た。

「ごめん、もうすぐ僕のとってるコースが始まる時間なんだ。行ってもいいかな?」

「っていうか、その時一緒にいたマヨとは付き合ってるの?」

な!!

タイスケって、どこまでバカなの??!

松川くんの顔がさーっと白くなっていった。

その先を聞きたくないような、聞きたいような。

でも、やっぱり耳を塞ぎたくなる衝動にかられた。