マヨがいたずらっぽい視線を向ける。

「ひょっとして、ナツミ、誰か好きな人でもできた?」

わわわ!

いきなり、そんな図星なこと言われてびっくりした。

湯沸かし器で沸かしたみたいに、一瞬で湯気が出そうなほどに顔が熱くなる。

そして、そんな私の視線の先には松川くん。

しかも、松川くんの目がこちらに向いてるんじゃない??

すぐに目をそらすも、ドキドキが激しくて、顔がどんどん熱くなる。

蒸気機関車のごとく走り出しそう!

ちょっと、どうして私のことなんか見てるの?

こんな真っ赤になって慌ててたら、私が松川くんのこと見てたのバレバレじゃない?

「ちょっとー。ナツミさっきから何動揺してるの?」

眉間にしわを寄せながら、マヨは私の視線をゆっくりとたどっていった。

そして、視線の先の松川くんの姿を捕らえた。

「ははぁん・・・。」

そう言うと、私を見てニヤッと笑う。

あ~あ。ばれちゃった?!

恥ずかしい~!そのまま私は机に突っ伏す。

マヨは声を殺して笑いながら、私の腕を自分の人差し指でつついた。

そして、小さい小さい声でささやいた。

「ま・つ・か・わ・く・ん?」