後ろ髪を引かれる思いで、松川くんと、マヨと私はゆっくりと席に戻った。

席に座る前にマヨの方をチラッと見ると、マヨは私にウィンクしてくれた。

やっぱり。

わざわざ、私と松川くんがしゃべれる機会を作ってくれたんだ。

マヨー。ありがとう!

席に座ってからも、顔の火照りと胸の高鳴りはしばらくおさまらなかった。


松川くんの斜め後ろ姿を、静かに眺めながら、

あの時、「コンサート誰と行くの?」って、冗談めかしてでもいいから聞いておくんだったと後悔した。