「好きになったのは、すごく最近、かな。」

マヨはゆっくり話した。

「ねーねー、誰?私の知ってる人?」

マヨの頬がほんのり赤く染まった。

慌てて、その頬を両手で挟むようにして隠した。

マヨ、ひょっとして照れてるの?

マヨでも照れることがあるんだ。

なんだかかわいいな。

「ナツミの知らない人、だよ。」

えー、そうなんだ。

なんだか残念。

せっかく力になろうと思ってたのに。

「だから株山先輩振ったんだ。私はてっきり付き合うかと思ってたからさ。」

「そうだね。株山先輩のことは、その人のことが少し影響したかも。株山先輩もすごくいい先輩だったし、かなり悩んで結論だしたのよ。」

「そっかー、株山先輩いい人だもんね。マヨに振られて相当落ち込んでるんだろうな。早く復活してもらわないと、来月大きな試合控えてるし。」

マヨはうっすらと口元を緩めて頷いた。

少し大人びた雰囲気のするマヨの横顔を眺めながら聞いた。

「マヨの好きな人って、ひょっとして大学生?」

「大学生じゃないよぉ。ま、他校ってとこかな。」

「他校ってとこかな、って。どうしてはっきり言ってくれないのよー。ずるいよー。ちゃんと教えてよ!」

私も思わずムキになる。